彦根市に、井伊家の始祖「共保」を祀る「井伊神社」があります。
彦根藩初代藩主井伊直政から240年後の天保13年(1842)の事。
14代藩主井伊直亮が、始祖「共保」の750回忌にあたり、井伊谷八幡宮から井伊大明神を分霊して神像を造り、龍潭寺山門下の参道脇に井伊八幡宮を造営したのが井伊神社の始まりです。
しかし造営から160年余りの年月を経て社殿は老朽化し、平成25年に新社殿の「井伊神社」が建立されて祖霊が移されました。
旧社殿は彦根市に寄付され、「旧井伊神社」として市指定文化財に保存されることになりました。
旧井伊神社は、現在このように建物保護のため囲いで覆われています。
旧井伊神社は、春と秋の年2回特別公開され普段は入れない内部を見学できます。
先日の秋の特別公開の日(2017年10月7日)、見学に行って来ました。
まずは入口でパンフレットを受け取り、建物の囲いの中に入りました。
唐破風造の拝殿入口が開き、その周りは様々な彫刻が施されています。
往時はさぞかし荘厳で華麗な社殿であったと想像が膨らみます。
拝殿に上がらせてもらい、市文化財専門員の方の説明を受けました。
向こうに見えているの階段の上が「本殿」、私が座っている畳の間(12畳)が「拝殿」です。
その間にある黒い板の間・・これは黒漆を塗っているそうですが・・これが「相の間」です。
本殿と拝殿がこのように繋がっている形を「権現造」と呼ぶそうです。
拝殿の壁には四季の草花が描かれ、格天井の格間ひとつひとつにも数々の草花が描かれています。
「棟札」も展示されていました。
本殿にも入らさせてもらいました。
階段や建具・垂木は鮮やかな「朱漆塗り」
扉の模様は「花狭間欄間」
その上には華やかな色彩の彫刻「獅子鼻」「蟇股」「牡丹鼻」で飾られています。
本殿内部
本殿の天井を見て驚きました。
160年余りの歴史に風化することなく、格天井の絵も木鼻も鮮やかに輝いています。
見事です。
続いて、外回りを見学しました。
さすがに外側は風化して渋い朱色をしていますが、当時は朱漆の鮮やかな輝きを放っていた事だと想像されます。
本殿部分は亀甲積みの基壇が設けられ、拝殿より一段高く設えてあります。
裏側
この木鼻も、本殿の内側と同じ色彩を放っていたことでしょう。
さて、旧社殿の横にあった小さな祠。
私はてっきり境内社かと思って写真を撮りました。
後で知ったのですが・・・
これが平成25年に建立されたという新社殿の「井伊神社」でした(+o+)
これも時代の流れですね。
外側からは伺い知れない内部を見学させてもらって、在りし日の井伊家の栄華をしのぶいい機会となりました。
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